京都で「アロママッサージ」の店に行ったら「わいせつマッサージ」をされた。心に傷を負った女性は、検察の捜査にも傷つくことになります。裁かれなかった性犯罪。独自取材です。

“本件不起訴処分は不当である”

10月、検察審査会がそう判断したのは、2年前に起きたある準強制わいせつ事件。被害者は当時、30代の女性でした。

記者「今ちょっとマンションが見えてきましたけど、こちらが・・」
女性「そうですね、ここの5階ですね」

 京都市内の川沿いに建つマンション。女性がこの一室で営まれていたアロママッサージ店を訪れたのはおととし1月の夜。初めて訪れる店で、男が個人で経営しているとは知りませんでした。男に6畳ほどの施術室に通され、着替えると、マッサージが始まりました。しかし中盤にさしかかったとき・・・

女性「仰向けになってくださいって言われて、手がだんだん紙のブラジャーの中に入ってきてるなって。これは何なんやろって思って、ちょっとやめてくださいって言うのも、ここの密室でほかに誰もいないし、抵抗したほうが何されるかわからへんかなって」
「だんだんエスカレートしてなめてきたりもしましたし、紙パンツも脱がされ・・・。ひたすら無言でした、その無言が逆に怖くて」

何事もなかったかのように料金の支払いを求めて来た男に、女性は支払いを拒否し、男を問い詰めたといいます。

女性「こんなんいつもやってはるんですかって。『いつもっていうわけじゃないですけど、じゃあ、きょうはもうお代はいいです』みたいな感じで言われて」「この人何回もやってはるんやって」

男を逮捕 「これで終わりって思いました」
女性はマンションを飛び出し、友人に被害を相談しました。

友人「そんなことあんのって。次の日、約束して(一緒に)警察に行こうと絶対許せへんなって」

友人とともに女性は翌日、警察署に被害届けを提出しました。

女性「(女性刑事も)同じ女性としても絶対許せへんと、絶対捕まえるからという感じだったので」

そして去年6月、警察は整体師の男を準強制わいせつの疑いで逮捕しました。被害届の提出からおよそ1年半が経っていました。男は警察での取り調べに「同意があったと思っていた」などと供述したといいます。

女性「やっと逮捕されたかと思いましたね、よかったって、これで終わりって思いました」

男が逮捕されてから行われた家宅捜索では、女性の着替えや、わいせつ被害を受ける様子を盗撮した動画も見つかりました。

捜査が思わぬ方向へ
しかし、捜査の舞台が警察から検察へと移り、事態は思わぬ方向に進んだのです。

検事:警察からは隠し撮りのビデオあったって・・。
女性:はい。聞きました。
検事:こちらは(女性の名)さんで間違いないですね。
女性:はい。

これは、京都地検の女性検事による、被害者への事情聴取が記録された音声データ。検事は盗撮について被害者供述調書を作成していきます。

検事:このような動画を撮られて泣きたいくらい、というか意味も分かりませんよね?
女性:(すすり泣く)・・・いろんな感情が・・・。これって回ったりとかないんですか。例えばネットでこの動画が流されて・・・。
検事:一応、被疑者本人の内容としては出していないと。

被害者のつらい思いを聞きながら、調書を作り終えた検事。
そして、こう切り出しました。

検事:もともとはマッサージ店のわいせつ行為について捜査してると思うんです。(女性の名)さんは寝たふりをされていたということになってるんですが。

「寝たふりをしていた」はずなのに、それとは異なる様子が盗撮動画に映っていると検事は言いたいようです。実は女性には、恥ずかしさのあまり、このときまでに打ち明けられなかった事実がありました。

女性「これってどこまで続くんやろうというのがあったので最後の時点で私自身が私が何か気持ちよくなってるとか、そういうそぶりを出した方がいいのかなって・・・」

検事が指摘したのが「同意の誤信」でした。「相手が同意していた」と誤って信じ込んでいた場合、「故意はなかった」ことになり、犯罪行為にあたりません。性犯罪を取り締まる日本の法律の大きな特徴です。

検事:同意を誤信しているって言うんですけれども、犯罪行為の認識というのがなかったということで無罪になるケースが多いんです。

しかし、盗撮動画の証拠開示を求めて動画を見たという女性の代理人は首をかしげます。

女性の代理人弁護士「動画だけを見たら、同意のあるなしを判断するにはちょっと難しいかな、という印象です」

それでも事情聴取で繰り返された「同意」という言葉。

検事:『この人はアロママッサージに来ているけども、性的行為を同意してくれているんじゃないか』と勘違いをしている

女性:私はわかんないですけど、無罪が出る可能性がいまって100%って言い切れます?
検事:ほぼ100%に近い状態かなって。
女性:痴漢もそうなんですか?痴漢も黙ってたら同意したってことになるんですか?
検事:なり得る可能性もあります。そうやって罪に問われなかった事例も。

音声記録には女性の必死の訴えが残されています。

女性「今の時点で起訴できひん、じゃあこのことはなかったことに、っていうのと一緒じゃないですか。それであかんっていうよりは、裁判して、それで、無罪になる可能性があるかもしらんって言われても、私はとことんしたいです。やっぱり。ほんまにしんどいです。私もう」

「裁判にかけることができません」

事情聴取を終えて2カ月後。女性に検察庁から連絡が入りました。 検事:もしもし、(女性の名)さんのお電話でしょうか。前回のマッサージ店でのわいせつ行為については不起訴処分となってしまいました。盗撮の関係なんですけれども、時効が完成しているというのが明らかになってしまったので、その点についても裁判にかけることができなくなってしまいました。申し訳ございません。 女性:私、次の日に被害届出してんのに時効とかなるんですか? わいせつ行為は不起訴、盗撮は時効(軽犯罪法の公訴時効は1年)が成立・・・予想もしない結果でした。 女性「私はここまで来て、事情聴取受けた時間もこれは何やったと。検察側からしたら分かってたでしょうと。時効になってることなんて。どこまで馬鹿にしはんのかなって」 刑法の専門家は・・・ (記者Q 時効が成り立っているものについて被害者を呼び出して、事情聴取を取ったりすることはあるんですか?) 「それは、まずないですね。立件できませんから。それは/判断自体が甘かったんだと思いますよ」(甲南大学法科大学院・園田寿教授) 女性は不起訴となった準強制わいせつ事件で、検察審議会に審査を申し立てました。その結果が「不起訴不当」の議決でした。 “被疑者はわいせつな行為を行った後、『拒絶されなかったら続けた』旨供述しているが、わいせつな行為の実行に着手した時点では『同意がない』ことは明白である。これ以上泣き寝入りをする被害者を増やすべきではなく、もっと被害者に寄り添った再捜査をすべきである”(検察審査会の議決より)

【独自】わいせつマッサージが「不起訴」、盗撮が「時効」に  まさかの検察“捜査ミス“ 裁かれなかった性犯罪

https://news.yahoo.co.jp/articles/b629a67fa9c184f39e74363fa203660f47065328?page=1

マッサージでエロいことしたらアウトって法律作れよ

何か腑に落ちない事件よね